アルミ複合板への印刷方法とそれぞれの特徴についてご説明いたします。
アルミ複合板とは?
まずはアルミ複合板の概要からお話させていただきます。アルミ複合板は発泡ポリエチレンを芯材とし、それを薄い金属(アルミニウム)でサンドした表面にポリエステル系の樹脂を焼付塗装した板材です。丈夫で耐久性・耐水性に優れているため屋外看板・サインプレート用途に適し、軽量なため施工しやすく、カッターでも何度か刃を入れれば切れるほど加工しやすいという特長を持っています。
アルミ複合板の断面
各メーカーによって名称が異なり、三菱ケミカル株式会社の「アルポリックR」(通称「アルポリ」)や、積水樹脂プラメタル株式会社の「アートパネル」シリーズ等があります。弊社で取扱いのあるアルミ複合板は片面が光沢のあるグロスコート系、その裏面がツヤ無しのマット系となっており、どちらに印刷するかイメージに合わせて選択できます。また、厚みは1.5mmや5mm等のバリエーションが存在しますが、一般的には価格と耐久性のバランスから3mmのものが使われております。
樹脂塗装された表面は、ホワイトボードマーカーで書き消しができます。但し、使用している金属がアルミのため、マグネットを取り付けることはできません。一般的なホワイトボード用途であれば、スチール複合板であればマグネットもくっつけられます。
アルミ複合版は屋外看板の他、店頭のメニューや価格表、取手を付けたプラカード等にも使用されています。その加工しやすい特長を生かして形状を変えることによって、ロゴマークや社名のアウトラインに沿った切り文字、キャラクターの輪郭に沿ってカットされた卓上スタンドPOP、花壇に差すタイプのネームプレート(名札)等にも使われています。
アルミ複合板に印刷するには
アルミ複合板へ直接プリントする方法には、UVインクジェット印刷やシルクスクリーン印刷が考えられます。
数量が多く、単色?数色のみの使用であれば、シルクスクリーン印刷の方がコストパフォーマンスに優れています。フルカラー写真の使用、必要な枚数が1枚のみ(あるいは複数枚で全部種類が違う)、大型看板用途の大判アルミ複合板への印刷には、UVインクジェットプリントを推奨いたします。版の作成を必要としないため、納期も短縮することが可能です。
下記の写真は建設現場に設置した野立て看板の製作事例です。この場合は1箇所のみの取り付けであり、多くの色を使っているのでUVインクジェット印刷向きであると言えます。
野立て看板事例
アルミ複合板にダイレクトに印字するのではなく、糊付きの塩ビシート等の耐水性メディアに印刷した用紙を貼り付ける方法もございます。この場合は、屋外用途に対応した大判ポスターを出力できるインクジェットプリンタで印刷するので、写真等の仕上がりもキレイに見えます。また、色校正が必要な場合も、アルミ複合板へのダイレクトプリントよりもコストは安く済みます。
専門の職人さんによる手貼りという手段もありますが、ローラーに通して圧着させるドライマウント加工なら、効率的かつ綺麗に貼り付けられます。角や隅からシールが剥離しないように、アルミ複合板の裏面へ折り返す作業が必要になりますが、角丸加工がされた部分や変形にカットされた看板に対してはできません。変形カットの場合は、メディアに直接プリントする方式を選択されると良いでしょう。
アルミ複合板の看板制作を請け負う会社は、保有する設備によってメディアに直接印刷(ダイレクトプリント)するか、ポスター用紙を貼り付けるか仕様が異なりますので、お問合せしてご確認ください。なお、必要な要素が単色の文字だけであれば、カッティングシートを貼る方法もあります。
いずれの印刷方法を選ぶとしても、壁取り付けの店舗看板等の屋外用途では、色あせしにくい長期用UVラミネート加工をお奨めいたします。耐候性は最大でも5年を目安にしており、半永久的な品質保持を保証するものではありませんが、ラミネートフィルムをせずに掲出した場合に比べて退色を防ぎ、看板を長持ちさせることができます。屋内でもガラス窓に接した場所等、直射日光の当たる場合はラミネート加工をした方がよろしいでしょう。
弊社では様々な資材に直接印刷できる大型UVインクジェットプリンタによって、アルミ複合版への印刷を1枚から受け付けております。等身大スタンドパネル、店頭メニュー表、駐車場のサイン等の数を多く必要としない製作物には、是非とも弊社をご活用ください。ラミネート加工やご指定のサイズや形状への裁断加工も、ワンフロアで一貫して請負える体制にございます。
印刷・カット・ラミネート加工の生産ライン
上記プリンタの最大サイズは3.1×1.6mですが、高さ4.8m×幅2.4mの特大看板を作成した実績もございます。この時は四八判(寸法は2.4×1.2m)のアルミ複合版を4つ繋げて設置することで実現いたしました。
通常、壁面へ取り付ける場合は片面への印刷になりますが、表裏の見当合わせをすることによって両面印刷も可能です。資材の上部に直径5mm程度の穴を開けた吊り下げボードや、空間をセパレートするための自立式パネルスタンド等、両面が目に付く用途にもご活用いただけます。
下記の動画で、UVインクジェットプリンタによる印刷とデジタルカッティングマシーンによる加工の様子が再生されますのでご覧ください。アルミ複合板の素材サンプルの製作現場を撮影しています。
人が触れる可能性がある場所に設置する場合には、矩形にカットしますと角が鋭利となり危険ですので、角丸加工することをご推奨いたします。壁面に取り付ける看板や吊り下げパネル用に穴あけ加工も行っております。
角を丸くカットしたアルミ複合板
壁面に釘で取り付ける看板や、天井から吊るすロープを通すための穴あけ加工も行っております。データ入稿の際には、穴を開ける位置にロゴマーク等の重要な要素がかからないようご注意ください。
また、社内にデザイナーが常駐しておりますので、アルミ複合板製の看板等、お客様のご要望をヒアリングの上でデザインから印刷加工までお引き受けいたします。「illustrator(イラストレーター)」等のグラフィックデザインソフトウェアをお持ちでない方はもちろん、制作作業に不慣れな方は印刷用データの制作もお任せください。オリジナル製品の具現化を、弊社スタッフ一同でバックアップいたします。
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